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COLU MN/収納でくらしが変わる
〜設計段階で、収納を重視しする方は、くらしの事が良くわかっている人〜


私達建築家の創る空間には、収納が存在しない事が多い。(偉大なる建築家ミース・ファン•デル・ローエのように)
斯く言う私も、一番に海外に行って観た建築は「ギリシャのパルテノン神殿」だったし、ローマのパンテオン、イスタンブールのブルーモスクも、内部には何も無く其所には、光と影で満たされた美しい空間があり、建築というものは、正にこれであると感動、「これを目指すことが何よりも大切」と思ってる一人です。
しかし、実際に生活をする上で、建築の引き渡しを受けてから「その間々暮らせる人」は、まずいないでしょう。
家に帰れば、、、
洋服や靴、食器や洗剤、置き薬や美容器具、ミシンやアイロン、裁縫道具、キャンプ道具、趣味のスキー板がずらりと並び、我が家のように育ち盛りの子供がいれば、pianoや本や習い事、学校の備品等どんどん新しいもの増え続け、この春、新しい家族の一員に加わったミニチュアシュナウザー(犬)にはゲージをはじめとする、ドック用品が必要で。家電では、最近TVは大きくなるし、冷蔵庫、洗濯機、DVDレコーダーに新たにブルーレイディスクレコーダーが増え、ドライヤーや電気ひげ剃り、体脂肪体重計、電動歯ブラシ、電話、FAX、インターネットのルーター、無線ラン、携帯のアダプターもあり、預金通帳、土地の権利書入っている金庫、、、
さて、いくら書いても書ききれません。しかし、蔵にしまって良いものは、ひな人形位で、いつも普段使用する物ばかり、、、人によってはいらないかもしれませんが、私には生きて行くには、全て必要なのです。
建築家は、いつもこの二つの板挟みになって、さてどこで線を引くのか、、、悩みます。
それはそれは大変なことです。しかし、結局、「あるものはある」です。
ミース・ファン•デル・ローエの言われた「レス イズ モアー(Less is more. 無駄な部分を削ぎ落としたデザインが、より豊かなデザインである)」なんて、この時ばかりは夢の又ゆめ、、、。
私達建築家は、あるものをあるように、納まるものは納まるように設計することが、時には「すばらしい空間の設計」をするより大切な事なのだという事を忘れてはいけません。
SAKURA MANSION〜7mの壁面収納のあるマンション